他部署への仕事の依頼(人事ローテーションの生む罪というか制度不備)

他部署に仕事を依頼する際に、依頼の受け手であるA部署がその前提を知らないはずのことをそのまま依頼すると、当然A部署はわからない。
しかし、他部署の経験がある人が異動してくると、その経験から斟酌して仕事を円滑に進めることができることもある。
人事ローテーションというのは、それを狙いにしているのかとも思った。

だがしかし、ずっとA部署にいる人からすれば、自分たちが知らないはずのこと(業務上知らなくていいこと)を前提の仕事を投げてくる他部署が悪いのであって、斟酌が必要なら依頼する側の部署が説明を加えればいいだけのこと。
本来A部署には必要ない・明示されていない・依頼部署が説明を加えるべき事項について、たまたまローテーションしていたというだけのA部署への異動者がその依頼を回せてしてしまうと、依頼部署はA部署へはその頼み方でいいと勘違いしてしまうし、また異動者が別の部署へ異動していくと、そこの齟齬でトラブルが起きる。
また、A部署の本来の業務のスペシャリストではなく、たまたま他部署の状況を知っていた異動者の方が仕事ができるというような誤った評価がなされると、スペシャリストとしては損である。

セクショナリズムとか蛸壺化とかいう言葉で、部署間にはっきりとした業務の線引きをすることを批判する向きがあるが、批判されるべきは、どちらがなにをやるかを曖昧にして、なんとなくの人のつながりでうやむやと仕事を回す仕組みにしている会社の制度である。
「どちらが、何を、どこまで、やるか」
これをはっきりさせなければ、適性な人員配置、必要とされる能力、社員のスキル開発、といった基本的なことが整備できない。
これがスタートアップなら、できる人が気を利かせてあれこれ業務を回していくという形でもいいだろうが、一定規模のいわゆる普通の人が勤める普通の会社では、この制度設計をしっかりしないと、組織が組織としてしっかり成り立たない。

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